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「ノロウィルス・サポウィルス」の意味・語源・由来・歴史は?

ノロウィルスとは急性胃腸炎を引き起こすウィルスの一種で

晩秋から春先にかけて大流行し、嘔吐・下痢といった症状を

引き起こしますが、なぜ「ノロウィルス」という名前なのでしょうか?

ノロウィルスの感染力は非常に強く「感染者の唾液⇒手指⇒

タオル等の物品⇒非感染者へ」
と急速に広まっていく為、

「ノロ」ではなくて「ハヤ」のような気がします。そこで早速、

ノロウィルスの語源・由来・歴史を調べてみる事にしました。

※ウィルスとは・・・他の生物の細胞を利用して、自己を複製

させる事が出来る微小な構造体でタンパク質と核酸から成り

たっています。(細胞を持たない為、非生物に分類されます。)


ノロウィルスの語源・由来・歴史

ノロウィルスは以前、「お腹の風邪」、「お腹のインフルエンザ」と誤解され

学校では学級閉鎖になる事もありました。1968年

アメリカ合衆国オハイオ州ノーウォークの小学校において

急性胃腸炎が集団発生し、患者の便を調べた所、ウィルスが

検出されました。そのウィルスの名前は地名にちなみ

「ノーウォークウィルス」と名づけられました。

その後、2002年の第12回国際ウィルス学会小委員会に

おいて、"Norwalk"(ノーウォーク)の"Nor"と

"virus"(ウィルス)をラテン語文法に従って連結形"o"で連結

したものを学名で採用し、「ノーウォーク様ウィルス属」と

呼ばれたものを「"Norovirus"(ノロウィルス)」と呼ぶこと

が承認されました。こうしてノロウィルスの名前は

世界中に広がりましたが、「ノロ(NORO)」姓の

子供達が「いじめ・からかい」を受ける恐れがある事から

「ノーウォークウィルス」と呼ぶべきだとの意見が

国際微生物連合委員会からあがっています。


日本でのウィルス感染・発見の歴史


日本では1977年、札幌で幼児に集団発生した胃腸炎から

ノーウォークウィルスとよく似た小型ウィルスが発見され、

「サッポロウィルス」と名付けられました。

1992年、3月末から5月にかけて、関東地方でも

10代〜30代でサッポロウィルス感染が多発しました。

その後、2002年の第12回国際ウィルス学会小委員会に

おいて、"Sapporo"(サッポロ)の"Sap"と

"virus"(ウィルス)をラテン語文法に従って連結形"o"で連結

したものを学名で採用し、「サッポロ様ウィルス属」と

呼ばれたものを「"Sapovirus"(サポウィルス)」と呼ぶこと

が承認されました。

その後、日本では、「サポウィルス」の名前は広まらず、

「ノロウィルス」の名前ばかりが広まる事となり、

冬場の嘔吐・下痢は何でも「ノロウィルス」と呼ぶ傾向がありますが、

急性胃腸炎を引き起こすウィルスには色々な種類がある事

を覚えておいて下さいね。

※サポウィルスはノロウィルスと違い、電子顕微鏡下で

「ダビデの星(Star of David)」と形容される特徴的な構造が見られます。
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