インフルエンザの名前の由来(語源)・歴史は? |
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以前、「インフルエンザとは何か?」というコラムで、インフルエンザ・
インフルエンザウィルス等の用語の意味についてまとめてみましたが、
インフルエンザの歴史・語源の方はどうなっているのでしょうか?
早速、調べてみました。
インフルエンザ(ウィルス)の歴史・語源(由来)
インフルエンザウィルスは本来、
カモやアヒル等の水鳥を自然宿主として腸内に感染する
弱毒性のウィルスで、人類はこのようなウィルスを持って
いませんでした。それが、突然変異によって人へ感染するようになりました。
いつから、人に感染していたかは不明ですが、古代エジプト
(紀元前3000年-紀元前30年)の時代には既にインフルエンザウィルス
が人類の間で蔓延していたと言われています。冬になると流行し、
春になると終息する原因不明の風邪のメカニズムは解明されず、
時代は流れます。16世紀のイタリアでは、感染症が冬になると流行し、
春になると終息する事から、イタリアの占星術師(せんせいじゅつし)達は、
天体の動き・寒気の影響からこれらの感染症は引き起こされる
と考え、「影響」を意味するイタリア語「influenza(インフルエンツァ)」
と名づけました。この言葉が18世紀にイギリスで流行した際に持ち込まれ、
以後、世界中で「インフルエンザ」という言葉が使われるようになりました。
(これが、インフルエンザの由来・語源です。)
ちなみに、インフルエンザという言葉が広まる前までは、ギリシャでは
「流行病」と呼ばれ、日本では「咳病」、「お駒風」、「谷風」などと、
悪い風(冬の強風)が吹いて人々を病気にするという認識がありました。
そして、インフルエンザの原因は解明されないまま、ついに
恐ろしい事件が発生してしまいます。
1918年〜1919年にかけて、スペインかぜ(H1N1亜型A型インフルエンザ)
が発生し、感染者数6億人、死者4000-5000万人という
感染症の世界流行(パンデミック)がおこります。
この際、日本の山中保らは、インフルエンザが粘膜感染するウィルス
である事を人体実験により始めて示しました。
1933年には、イギリスのウィルソン・スミス、クリストファー・アンドリュース
、パトリック・レドローがインフルエンザを引き起こすウィルスの事を
「インフルエンザウィルス(A型インフルエンザウィルス)」と名付けました。
その後、1940年には、B型インフルエンザウィルス、
1946年には、C型インフルエンザウィルスが発見されました。
その後も、A型インフルエンザウィルスの突然変異によって
1957年に発生したアジアかぜ(H2N2亜型・死者約200万人)、
1968年に発生した香港かぜ(H3N2亜型・死者約100万人)、
1977年に発生したソ連かぜ(H1N1亜型・死者約10万人)等、
で大きな被害が出ています。
このようにインフルエンザウィルスは人類にとって非常に脅威な
存在なので、テレビ等で大々的に報道されるんですね。
歴史で感じた素朴な疑問を調べてみた
Q:なぜスペインかぜの大流行はすぐなくなったの?
A:「スペインかぜ」がすぐ消えたのは、多くの人が免疫を持った為です。
(1度インフルエンザにかかると同じ型であれば、数十年免疫は持続する
と言われています。)
Q:なぜインフルエンザウィルスはいつまでたってもなくならいの?
A:インフルエンザウィルスがいつまでたってもなくならないのは、
感染しても、発病せず、ウィルスを持ち続けている人がいるからです。
そして、冬になると発病して、ヒトからヒトへと感染が拡大します。 |
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